「EFA2000ダカール」を受けて
 今年の会議には,去る4月にセネガルのダカールで開催された「世界教育フォーラム」のアジア・太平洋地域における最初のフォローアップ会議として意味あるものにしようという目的があった。この「世界教育フォーラム」では,21世紀初頭の基礎教育の達成目標として「ダカール行動計画」がまとめられた。識字教育の分野では,2015年までの15年間で現在の状況を50%改善するとの目標が掲げられた。目標達成の具体的な方法として挙げられた「ITの活用」「女性の教育の重要性」「評価システムの確立」などをいかにして具体的に各国のニーズに合う地域協力事業として結実させるかが,今回の識字企画会議の最大の目的であった。

ITの活用を軸として
 参加各国の代表者は,「ダカール行動計画」を受けて,自国でどのように識字教育を促進していくかについて,具体的な目標を挙げながら説明し,各国の目標を達成するために有効な地域事業の必要性を熱っぽく語った。どの参加者からも,これまでACCUが各国との密接な協力関係で進めてきた,ものづくり・ひとづくり・ネットワークづくりをめざした地域識字協力事業を高く評価するとの声が聞かれ,既存の事業の更なる拡大・強化が強く求められた。その一方で,新しい分野への取り組みも強く求められた。
 特に要望が多く出されたのは,「ダカール行動計画」の中でもキーワードになっている「IT」を識字事業で有効活用するための地域事業の実施である。参加者の要望の中からIT関連の主なものを拾ってみると以下のようになる。

識字へのITの活用について,研修プログラムを長期的かつ系統的にやって欲しい。
ITを使って参加国を繋ぐネットワークを作るべきである。
ITによる情報交換システムを開発し,有効なプログラムを広く資金提供団体などにアピールすべきである。
現在ACCUが進めている識字データベースをさらに強化し,開発中のPC用識字活動分析ソフト(地図分析ソフト/通称MANGO,学校外教育用管理情報ソフト/通称NFE-MIS)を早期に完成させ参加各国に導入してほしい。

 また会期中,忙しい日程の合間を縫って放送大学や東京タワー等を訪れた。中でも放送大学は,参加者が教育関係に従事していることや,学校外教育の今後の課題ともマッチしていたこともあり好評で,質問が相次いだ。大学関係者の親切な対応にこの紙面を借りて感謝申し上げたい。

 会議を通して発せられたアジア・太平洋地域各国からの熱い声を具体的な地域事業にどう生かしていくかが,今後のACCUに課せられた大きな課題である。