アジア太平洋,アラブ,ラテンアメリカ,アフリカ地域の新進イラストレーターやグラフィックデザイナー,画家を対象としたACCUの「野間国際絵本原画コンクール」の審査会が,2002年12月6日に開催され,大賞にアルゼンチンのクラウディア・レニャツィさんの「わたしの家」が選ばれ,次席には韓国,南アフリカの作品が入賞した。13回目となる今回は43か国から合計325点の応募があった。
 国際審査員には,海外からは第10回コンクールの大賞受賞者でマレーシアの画家モハメッド・ユソフ・ビン・イスマイル氏,同じく第4回コンクールの大賞受賞者で絵本作家,イラストレーターであるニュージーランドのガビン・ビショップ氏,スリランカユネスコ国内委員会事務総長マヒンダ・アベイワルダネ氏の3名に加え,日本からは画家の司修氏,イラストレーターの杉浦範茂氏,安曇野ちひろ美術館館長の松本猛氏,野間国際図書開発基金の土門康男氏とACCU理事長佐藤國雄の合計8名があたった。
 まず5日の予備審査で123点に絞り込まれた作品が,6日の本審査にのぞんだ。特に上位13点に選ばれてからは,審査員全員で1つ1つの作品について,ストーリー,技法の確認から,最も重要な選考基準の1つである,作品が実際の絵本として出版されたときに,いかに読み手である子どもたちを引き付ける魅力があるかということについてまで,徹底的に議論された。その結果,大賞には,アルゼンチンの女性作家による,感情を持った家を主人公にした作品が,独創性があり1枚1枚の絵にメッセージがあるという点が高く評価され,8名中7名の審査員が押すという圧倒的な支持で選ばれた。

大賞
「わたしの家」
クラウディア・レニャツィ(アルゼンチン)

 過去5回はアジアとアフリカの作家が交互に大賞を受賞してきたため,久々に中南米の作家が栄冠を勝ち得た感がある。また9月にテヘランで第12回野間コンクールの入賞作品展が行われ,国内で広くコンクールが広報された関係で70点近い応募があったイランの作品は,1つの絵本の作品として見たときのイラストレーションの構成と流れの完成度不足などの判断から残念ながら上位3点には届かなかったが多数が入賞し,そのレベルの高さを改めて示すことになった。次回は他の国からもより多くの応募を期待したい。
 これらの入賞作品は,2003年4月末から上野にある国際子ども図書館で一般に公開される。さらにスロバキアのBIB(ブラチスラバ国際絵本原画展)で,またその後は日本各地での展示も予定されている。また展覧会に合わせて,野間コンクールのサイトでも,今回の入賞作品が公開されることになっている。

次席
「太陽のカナリア,月のカナリア」
ピエト・フロブラー(南アフリカ)
次席
「トラを捕まえた息子」
パク・チョル・ミン(韓国)