第20回識字専門家セミナーは,ACCU,ミャンマー教育省教育研究局とユネスコ・バンコク事務所の共催で,ミャンマーの首都ヤンゴンで,2002年12月3日から12日まで行われた。スリランカが初めて,アフガニスタンが9年ぶりに参加したのを含め,21か国から31名が参加した。

 アジア太平洋地域各国の学校外教育指導者に,マスター研修者としての研修を行い,それぞれの国で学校外教育人材養成のための研修を行えるよう支援することが識字専門家セミナーの目的である。今回のワークショップのテーマは,(1)PALM(学校外教育教材開発パッケージ)を活用した草の根での教材制作,(2)「参加型」で行う成人学校外教育授業計画の立て方とそのなかでの教材活用。
 なぜ「参加型」なのか。成人を対象とする学校外教育の現場では,子ども対象の学校教育のモデルは有効ではない。すでに社会人としてさまざまな知識や技能,誇りや責任をもっている学習者が,主体となって互いに学び合える状況づくりを教師が担うことが期待されている。
 今回は,特に「参加型」の授業とはどういうものかを実際に体験してもらうために,ワークショップそのものを参加型で運営した。日本から参加した丸山麻子さんは「全体を通じて,学校外教育における参加型学習の重要性・方法などについて学ぶことができましたが,何よりも,セッションの進行,タイムキーピング,記録,写真,ウォーミングアップなどのワークショップ運営の仕事を分担して行うことにより,参加者自身が参加型学習を経験することができました」と述べている。
 研修中,イスラム断食月あけのイードの祝いに当たった日にイスラム教徒の参加者たちがお金を出し合ってケーキを購入し,参加者全員に振舞うという一幕もあった。移動中のバスや,模擬授業の発表など,歌声と笑い声の絶えないワークショップであったことを付記しておきたい。

(『ユネスコ・アジア文化ニュース』337号より)