モニタリングと評価
会議中、プロジェクトサイクルの重要な要素であるモニタリングと評価に関する課題が、多くの観点から議論されました。
また、会議のリソースパーソンであるアンバ・ジャミール氏から、モニタリングと評価に関するいくつかの重要の紹介がありました。
モニタリングと評価の課題 – アンバ・ジャミール氏 (英文)
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概論
- プロジェクト期間が短い場合、インパクト評価が困難
- モニタリングと評価についての共通の理解が必要
- 基準となる指標が求められる
- 学校中心と地域中心のプロジェクトでは、モニタリングと評価の手法が異なる
目的
- 教材の翻案・普及利用・能力強化、そしてプロジェクトそのもの有効性と妥当性を高めるため
- 学習者のスキル、態度、生活の質、行動などを向上させるため
- プロジェクト進展の過程を調べるため
- 目標の達成度を調べるため
- プロジェクト活動とプロジェクトの受益者とのニーズを合致させるため
- 作成する教材の有効性を再検討するため
- プロジェクト管理についての決定を助けるため(プロジェクトの促進や修正のため)
- 必要であれば計画を修正するため
- プロジェクトの進捗状況や結果から今後の示唆を得るため
- 報告書を準備するため
- データベースを構築するため
- 目標と目的に基づいて、実際の活動を計るため
- データに基づく結論を引き出すため
プロセス
- 継続的であること
- 基礎データ収集→プロセスや進捗のモニタリング→評価→インパクト
- 五つの異なった段階
- 教材翻案
- 普及と利用
- 能力強化
- プロジェクト運営
- 効果
タイプ
- 自己モニタリング・評価
- 内部(プロジェクト実施団体)によるモニタリング・評価
- 外部機関によるモニタリング・評価
- 合同モニタリング・評価(実施機関と外部機関)
手法(体系化されたもの、されていないもの、インフォーマルなもの)
- 観察
- 異なった段階ごとの文書化・視覚化
- 報告
- 詳細なインタビュー
- 対話
- 質問票
- ディスカッション(例:フォーカスグループディスカッション等)
- 相互訪問
- 調査
- フォローアップのための訪問
- データベース
- その他、プロジェクト運営や学びの妨げにならない方法
レベル
- 地域レベル(地域の人々)
- フィールドワーカーレベル
- プロジェクト運営レベル
- 国レベル
- 地域/国家をまたいだレベル
- ACCUレベル
人々の関与
- 学習者
- 地域の人々
- ファシリテーター/教師
- プロジェクト運営チーム
- 関連機関、団体
- 政府(地方/中央)
- 他の機関(企業など)
- ACCU
プロジェクト現場から:モニタリングと評価の実践
PLANET3 各国プロジェクトを実施したそれぞれの団体は、異なる機会や制約の中、さまざまな手法を用いてモニタリングと評価(M&E)を実施しました。以下の三つのは、対照的なM&E手法の事例です。
モンゴル - 広い国土に点在する学習者のためのM&E
ノンフォーマル・遠隔教育センター(NFDE)は、PLANETパッケージを国内の全てのノンフォーマル教育(NFE)センターに配布しました。そのため、それぞれの場所でM&Eを行うことは大変難しく、その結果、NFDEは以下のような方法で実施しました。
- 地域レベルでのNFEファシリテーターによるセルフモニタリング
- NFDEプロジェクト管理チームによるモニタリング
セルフモニタリングは、以下の方法で、ファシリテーター、学校長、地域のリーダーにより実施されました。
- フォーカスグループディスカッション
- 個人へのインタビュー
- 地域の人々とのミーティング
M&Eを他のプログラム(夏季の識字トレーニングなど)と組み合わせることによって、地理的な難しさを克服することできました。そうすることで、M&Eの適用範囲は広くなり、PLANET活動のためだけにそれぞれで行われていたM&Eに比べて費用を抑えることができました。
また、NFDEは、国営テレビ局を通してPLANETのアニメーションを放映した他、PLANETラジオレッスンの放送も開始し、その後に一般の視聴者や学習者からのフィードバックを得るためのアンケート配布も行いました。
インド - 学びのプロセスとしてのモニタリング・評価
環境教育センター(CEE)は、促進的なM&E手法を取り入れました。それは、プログラムが最初に計画されたものと合っているかどうかを調査するといった従来のアプローチより、むしろ教師や学校経営者がプログラムを改善するために役に立つ手法といえます。CEEが行ったM&Eの革新的な特徴は、以下のようなものでした。
- 1回目の訪問:1対1の面談
最初の訪問として、CEEのスタッフは学校経営者や教師、生徒と面談を行いました。そのときに明らかになったのが、プロジェクトを実行していた学校は17校のうちごくわずかで、ほとんどの学校はプロジェクト開始の式典を行うにとどまっていたことです。しかし、モニタリング訪問をすることで、CEEがそのプロジェクトに真剣に打ち込んでいることを学校経営者や教師に再認識させることができ、モチベーションを高めることにつながりました。 - 2回目の訪問:担当教員との中間評価
二度目の訪問は、教師とともにこれまでの経過を振り返る形で行われました。今回の訪問は、プロジェクトを管理していく上でうまくいった体験やプロジェクト実施期間中に直面した課題や不安を教師同士で分かち合える場となり、とても有意義な機会になりました。 - 引退した地域の最優秀教師を巻き込んで
PLANETプロジェクトの実施団体であるCEE Southは、コチにあるプロジェクト現場からおよそ530km離れたバンガロールに位置するため、より地域密着型でプロジェクトを見守るために、対象地域でかつて最優秀教師の賞をとり、現在は退職している方を、仲介者として任命しました。彼はプロジェクト対象校を頻繁に訪問し、バンガロールにあるCEEの事務所と綿密なコミュニケーションを続けました。このような仲介者の存在により、効果的にプロジェクトの進捗を把握し改善策をとることができました。 - 語句連想法
生徒の認識の変化をみるため、CEEはPLANETプロジェクトの前後に簡単なアンケートを配布し、語句連想法(word association survey)を実施しました。
語句連想法-調査結果 (英文)
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バングラデシュ - 地域・組織・国際レベルでの参加型モニタリング・評価
ダッカ・アーサニア・ミッション(DAM)はPLANETプロジェクトのM&Eを3つのアプローチを用いて実施しました。
a ・・・ 地域レベルのモニタリングチームの構成
b ・・・ 組織内でのMIS Unitとの協働
c ・・・ DAM、CEE、ACCUで構成されるチームによる合同モニタリング
これらの異なった視点を組み合わせることによって、DAMは集積されたデータをより正確な分析のために整理できるようになりました。
- 参加型モニタリングシステム
DAMはそれぞれのプロジェクト現場に地域レベルのモニタリングチームをつくりました。チームは定めた指標を用い、対象学習者の家庭訪問、コミュニティリソースセンターなどでの対象者や研修員たちとの話し合いを通して、プロジェクトが行われている地域で自らの活動の定期的な把握に努めました。プロジェクトに携わった研修員たちは、モニタリングチームからフィードバックを得て自らの活動の改善に役立てました。このシステムは、モニタリングチームがプロジェクト現場に近いこともあり、直接情報収集できるため、コミュニティを基盤にしたプロジェクトに適しています。このシステムは非常に効果的で、プロジェクト担当者は本部に届いた報告に応じて、直接現地に行き、発生した問題を解決することができるようになりました。 - プロジェクト運営チームとM&E局との協働
DAMには組織のプログラムやプロジェクトのモニタリング・評価を専門にする独立した部局があります。ここでは、独自の方法でM&Eを実施し、プロジェクトチームにフィードバックを提供しています。PLANETプロジェクトチームも同様にフィードバックを得ることができました。 - 国を超えたモニタリングチーム
CEEとACCUは、合同モニタリングを実施するために、バングラデシュを訪れ、DAMの代表者とともにプロジェクト現場に行き、それぞれ異なる視点からプロジェクトを見ることが可能になりました。また、様々な関係者の間でアイデアを交換し、自らの取り組みに反映するといった大変有益な議論を組織間で行うことができ、有意義なモニタリングの実践となりました。

