

(左から)
−西ジャワ、スムダン地区、ギリ・ムクティのタラワンサ
−タラワンサのパフォーマンスの供物
Sri Hastanto氏のコレクションから
タラワンサは、弓で弾く弦楽器で、古代より伝わるものと信じられています。西ジャワでは、タラワンサは、ジュントレンと呼ばれる秘舞踊の伴奏に使われるシンプルなアンサンブルの名前にもなっています。その踊りは、稲の女神デウィ・スリを祭る儀礼の一部となっています。
ランチャカロン地区(西ジャワ州の一地区)のギリ・ムクティ
音楽、舞踊、儀式
西ジャワ州スムダンは、同州の文化的中心地のひとつと認識されています。土地が非常に肥えており、そのため農作物、特に米の収穫量が多いところです。西ジャワ州の文化的中心地であるからには、多種多様な舞踊、演劇、音楽を有しています。その中でも特に人目を引く芸能がジュントレンで、タラワンサのアンサンブルの伴奏が付きます。このジュントレンというジャンルは、ランチャカロン地区のギリ・ムクティという小さな村を発祥としています。
ジャワの太陰暦の最初の月には、この地区のほとんどすべての村で、稲の女神デウィ・スリに感謝をささげる祭りが行われます。この女神は、インドネシア全土でそれぞれ異なった地方名で呼ばれていますが、その役割はどこでも同じです。すなわち、田んぼを加護し、あらゆる病疫から守ることです。こうした祭りにおいて、ジュントレンは演じられるのです。
朝早くから、人々はあらゆる種類の農作物を集めて回ります。もち米、黒米、赤米、白米などあらゆる種類の米、あらゆる種類の芋、あらゆる種類の果物、そして畑で取れたあらゆる種類の野菜を集めたら、次に、これらの農作物を巨大な鍋に入れて、そこにさらにココナッツミルク、塩、白砂糖、やし砂糖を加えて、全部一緒に煮込みます。これをほぼ一日かけて煮ると、ブブル・スラ(bubur sura)(ブブルは粥のこと、スラは月の名前、すなわち「スラ月の粥」の意)と呼ばれる粥状の料理ができあがります。式典は夜に行われます。
7時ごろ、村の長老たちが村で一番大きな家(通常村長の家)に連れ立ってやってきます。そのあと他の人々もやってきます。彼らは、自分たちの田んぼを保護してくれた稲の女神に感謝の祈りをささげます。祈りの間、タラワンサが非常に厳粛な雰囲気の特別な曲を演奏します。やがて、何人かの女性が立ち上がり、ジュントレンの踊りを踊り始めます。その動きは、タラワンサの上品なメロディに添うように非常に滑らかです。この踊りの後、村一番の長老の取り仕切りのもと、人々は共にブブル・スラ(スラ月の粥)を食べます。食事が済むと、ジュントレンの踊りが再開します。しかし、今度は、場の雰囲気は荘厳なものから陽気なものに変わっています。踊りは若者たちによって朝まで続けられます。
タラワンサのアンサンブルは、2弦の弦楽器タラワンサ1台と、ジュントレンと呼ばれる撥弦楽器1台だけです。実は、踊りの名前は、その撥弦楽器の名前から来ています。演奏が始まると、その周りには供物としてあらゆる農作物、とりわけ稲が並べられます。また、稲の女神デウィ・スリの像が2体置かれます。
すでに存在する
きわめて限られている(例としての用途のみ)
きわめて限られている(例としての用途のみ)
1. Directorate for the Arts, Directorate General for Culture, Department of National Education of Indonesia.
2. STSI (Indonesian Collage of Art) Bandung.
Dr. Sri Hastanto
Director for the Arts
Directorate for the Arts, Directorate General for Culture, Department of National Education
住所:Gedung E Lantai-9 Komplek Depdikbud, Jalan Jenderal Sudirman, Senayan, Jakarta, Indonesia