Asia Pacific Cultural Centre for UNESCO (ACCU)

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ACCU Prize
Oya Temple Traditional Performing ArtsAsia-Pacific Database on Intangible Cultural Heritage (ICH)

伝統芸能振興活動(プロジェクト)の名称

“オヤー寺院(エル・テンプロ・デ・オヤー)” コミュニティ文化プロジェクト

対象となっている伝統芸能の名称

  • 民族舞踊 (アフロ・キューバン舞踊、ハイチ舞踊、トゥンバ・フランセーサ)
  • 打楽器

コミュニティ(市町村など)の所在

キューバ共和国、ハバナ市、ハバナ・ビエハ、タージャ・ピエドラ第54地区

民族舞踊と打楽器について

アフロ・キューバン舞踊
キューバでは、民族舞踊芸術の知識を再活性化させる目的で、舞踊の価値や口承性を例示しながら、ヨルバ族の神々(オリーチャ)やその他の神々の個別の踊り方が伝承されています。

アフリカ人が奴隷としてキューバに連れてこられた当時、アフリカ人達は植民者によってカトリックの教え(聖人信仰)を受容することを余儀なくされました。アフリカ人達は、自らの出身地で行われていた儀式とこれらカトリックの聖人とを組み合わせました。

アフリカ人の信仰や慣習はキューバ人やキューバ島の住民に代々伝えられ、今日では我々キューバ人の文化的アイデンティティであり、融合したイデオロギーとなっています。現在、60%から70%のキューバ人が、一般にサンテリアまたはレグラ・デ・オチャとして知られている宗教や、パーロ・モンテ、イファの聖職、アバクアー等の信仰をしているとみられています。

ハイチ舞踊およびトゥンバ・フランセーサ
クレオール語と同様、ハイチ系子孫によってその教育が奨励されている舞踊であり、植民地化されたハイチ人奴隷が持ち込んだリズムや儀礼といった伝統的な文化価値を示すものです。その目的は、時として自身の宗教儀礼や舞踊を密かに行いながら、後々の世代に伝統を継承し、あらゆる文化的遺産を伝えながら、言葉はもちろん、慣習に強く根差した移民者としての彼ら自身のオリジナリティーをより鮮明な形で守ることでした。

今日、東部の州の3つの地域でハイチ舞踊とトゥンバ・フランセーサが伝承されており、クレオール語と併せて、国際的に認知されたオリジナル表現を有する伝統として、2003年に“人類の口承及び無形遺産の傑作”としてユネスコによって宣言されています。

打楽器:アフリカ発祥の打楽器
打楽器の演奏は、祖先から受け継がれているアフロ・キューバン舞踊、ハイチ舞踊およびトゥンバ・フランセーサを行う上で不可欠なものです。

過去に直面した問題について

タージャ・ピエドラ第54地区の青少年は普段は学校に通っています。しかし雇用年齢に達していない若者の多くが、経済的な理由からスラム街を歩き回っているのが現状です。青少年たちは、13歳または14歳に達すると、大人の仕事や家業に従事するために学校に通わなくなっていました。このことは当時の犯罪潜在指数上昇の要因になっていました。
今日、青少年たちは当プロジェクトが提供する伝統芸能教室に入っており、コミュニティの文化的社会的ニーズがカバーされています。行動様式、個人的な関心、そして趣味(センス)を変えさせることで、150名の青少年は、人生の重要なモチベーションとより有利な経済的見通しがある将来を見つけるに至っています。

明らかになった主要問題は、文化的・芸術的な場の欠如です。当プロジェクトの対象地であるクリスティーナ通りのエリアには、子供向けの公園、映画館やビデオ館が無く、またスポーツエリアもありません。このことは、あらゆる芸術の取り組みについても危機的なマイナス影響をもたらすことを意味しています。

ここで取りあげているコミュニティ・プロジェクトは、当該コミュニティおよび隣接地域の希望住民に対して、差別することなく無償で、9つの異なる伝統芸能を学ぶ機会を提供するものです。これにより、自由時間はもちろんのこと、社会的に必要な時間を有効利用することが可能となるほか、個々の文化的側面を伝え、我が国の民間伝承を保護する事にも繋がるのです。

問題を乗り越えるために実施したプロジェクト

担当芸術家(ナンシー・プジェス・メンデス女史)は、現在住民たちが取り組んでいる彼女の特殊芸術と伝統的舞踊芸術のどちらを実施するかを住民たちに委ね、その結果、より活動性の高い後者が選ばれました。

当プロジェクトの主要目標

  • 我々の祖先が遺し、今に伝わる実践的な多くの文化遺産を活発に実践することで、消滅の危機を回避し無形文化遺産を救い保存する。
  • 資源の乏しいこの町の青少年に対して然るべき教育を施し、文化的素養を身につけさせ、また慣習、習慣、物質的・精神的充足状況を変えていくことで生活クオリティを向上させ、短期的に経済的な支払い能力を備えさせる。
  • このプロジェクトを大規模なアートスクール、すなわちコミュニティ自体の一つのニーズへと変貌させる。

青少年たちは祭りの音楽や祖先の肖像に心を捉えられ、担当芸術家がこうした作品の手作りを20年前から行っている、質素なオヤーの小さな家に集っていました。青少年たちの熱意はその家にみなぎっていて、彼らは時間を有効に使っているだけではなく、自らの国民性と国への帰属意識をより強固なものにしていることを理解しました。こうした青少年たちのお陰で、目を見張るほどの大勢の人々を当プロジェクトに取り込みながら、私たちのルーツを守ることに繋がったのです。

ビデオ


入賞プロジェクトの伝統芸能:民族舞踊 打楽器

 

活動の様子(写真)