日本には文化財保護における、行政および市民による活動の経験やノウハウがあります。2003年(平成15年)ユネスコ総会で採択され2006年(平成18年)に発効した「無形文化遺産の保護に関する条約」と、同年に日本政府が施行した「海外の文化遺産の保護に係る国際的な協力の推進に関する法律」を背景に、ACCUは文化遺産保護国際貢献事業「無形文化遺産保護パートナーシッププログラム」を文化庁委託事業として平成19年度から21年度まで実施しました。
この事業は、国内と海外の無形文化遺産関連機関のネットワークの構築、無形文化遺産保護の行政システムが整っていない国の行政官への集団研修、研修講義をウェブで世界中に配信、という3つのステージから成ります。
2007年度、2008年度のプログラムで、日本の無形遺産関連機関や地方自治体などからなる国内ネットワークと、世界22カ国のナショナルコレスポンデント機関からなる海外ネットワークを構築しました。
2009年度以降もネットワークを維持・強化していきます。
国内ネットワークに参加する機関は、本プログラム実施のための情報提供や、集団研修への講師の派遣、またフィールド見学の企画・調整等において協力をします。
主にアジア太平洋地域諸国の関係機関は、ナショナルコレスポンデント(現地通信機関)として研修参加者の推薦、無形文化遺産関連法の収集、カントリーレポートの作成等で協力をします。
本プログラムでは、自国の無形遺産保護システムが十分に整っていないアジア太平洋、アフリカ、ラテンアメリカ地域諸国の行政官や専門家に、50年以上の歴史のある日本の文化財行政や地方自治体の保護の実態を紹介し、各国の人材育成に貢献する集団研修を開催しています。この研修は、無形文化遺産の保護のシステムについて、5回シリーズでの実施を予定しています。
2007年度には「無形文化財の保護システムについて」をテーマとし、14か国から研修参加者を受け入れて第一回集団研修を、2008年度には「無形文化遺産の保護システムの構築にむけて」をテーマに8カ国から参加者を受け入れ第二回集団研修を開催しました。第三回目となる2009年度はアジア太平洋地域の13カ国から参加者を招へいし、2009年7月15日から22日まで「無形文化遺産の目録作成について〜リサーチからアイテムの特定、目録作成まで〜」をテーマに開催します。研修では、中央政府レベルの政策から地方自治体やコミュニティレベルまでの具体的な活動について学びます。また、京都祇園祭を例に、日本の無形文化遺産の地方自治体の保護活動を、講義と現場視察により学ぶ機会を設けます。
研修講義はビデオ収録され、テキスト教材と共に英語と日本語にてインターネット上で配信されます。研修参加者以外にも、研修環境、国内・海外ネットワークの周知・整備と併せて、広く一般の無形文化遺産保護の振興を目指します。
