新疆のウイグルの大曲(ムカム)芸術
 

新疆ウイグルムカムとは、中華人民共和国の少数民族の中でも人口多数な民族の一つに数えられるウイグルのコミュニティに広まったムカムを指す言葉です。新疆地域は、特にシルクロードの中心に位置するという場所柄、その歴史を通じて、高度な東西の文化交流を担ってきました。

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新疆ウイグルムカムは、歌と踊り、そして民俗的・古典的な音楽の集合体で、内容や舞踏形式、音楽形態、使用楽器の多様性が特徴です。歌は韻やリズムなどがさまざまで、ソロで歌われることもあれば、グループの場合もあります。

歌詞も、民謡だけでなく、ウイグルの古典文学の大家によって書かれた詩である場合もあります。従って彼らの歌は、詩やことわざ、民話、庶民的な内容(愛を称えたものや人生観など)等、幅広い形式を持ち、ウイグル社会の歴史や現代生活を映し出しています。

ウイグルムカムの音楽の特徴は、音楽様式の多様性と継続性にあり、中国の中部平原地帯の音楽文化との密接な関係を示唆しています。ムカムの合奏曲では、サタール(Satar)やアイジャク(Aijak)などの主旋律の楽器は地元の材料で作られていて、弓奏楽器や撥弦楽器、吹奏楽器など、種類もさまざまです。

舞踏法には、独特のステップやリズム、構成、さらに、ソロダンスにおいては「口で花を摘む」、「鉢を頭上に乗せて運ぶ」などの動作や、動物擬態といった形態などがあります。新疆ウイグルムカムには、トゥエルブムカム(Twelve Muqam)、ドランムカム(Dolan Muqam)、トゥルパンムカム(Turpan Muqam)、そしてハミムカム(Hami Muqam)の、主に4つの地域ごとの形式があります。

今日、メシュレプ(meshrep)やベゼメ(bezme)といった、誰もがムカムに参加できる、地元の祭典が開催される機会は非常に少なくなっています。新しい世代に伝統を引き継ぎ、後継者を育てる使命は、もっぱら民俗芸術家の肩にかかっており、ムカムに対する若者の関心は徐々に薄れてきています。現在、すでに演奏されなくなったムカムの曲もあり、特に、合計20時間にもおよぶ300曲以上を持つトゥエルブムカム(Twelve Muqam)では、その傾向が顕著です。