2001年および2003年に宣言された傑作の紹介
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- 2005年の傑作-
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人類の口承及び無形遺産の傑作:

"アゼルバイジャンのムガーム音楽"
 
宣言年:
2003年

国名:
アゼルバイジャン

関係するテーマ:
伝統音楽
参考資料
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解説:

 
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アゼルバイジャン共和国のムガーム音楽は、高いレベルの即興によって特徴付けられた、高度に体系化された伝統的音楽です。アゼルバイジャン共和国の知識階級の音楽とみなされるムガーム音楽は、民間と吟遊詩人を起源としたメロディ、リズム、演奏技術を取り入れており、国中の様々な場所で演奏されています。この高度に装飾的な旋法は、男性か女性の歌い手と伝統的楽器、特にタール(tar:柄の長い11弦のリュート)、カマンチャ(kamancha:4弦のバイオリン状の楽器)とダッフ(daf:大きなタンバリン状の楽器)の伴奏により演奏されます。ムガーム音楽は、固定した形で記譜できないため、芸術的表現の妙技と多様性を守るため、師匠は自ら弟子に対して、洗練された即興技術を訓練し、これによって多数のバージョンが伝承されます。

現代のムガーム音楽の演奏は、アゼルバイジャンの複雑な歴史の様々な時代と、特にペルシャ、アルメニア、グルジア及び他のトルコ系民族との交流を反映しています。アゼルバイジャンのムガーム音楽はイラクのマカーム(maqam)、ペルシャのラデイフ(radif)、トルコのマカーム(makam)と芸術的特徴を共有しています。以前には、ムガーム音楽は、主に二つの機会に演奏されていました。一つは、トイ(toy)、すなわち伝統的な結婚披露宴、もう一つは、マジュレス(majles)と呼ばれる玄人の内輪の集まりです。ムガーム音楽はまた、スーフィー教団の信者やタジー(ta'zie)あるいはシャビー(shabih)と呼ばれる宗教劇の役者によっても演奏されてきました。公的なコンクールや非公式のコンテストを通じて、熟達した演奏者としての名声が確立されていきます。様々な社会的・宗教的な背景の下で、かつてムガーム音楽の発展を促した都市環境は、アゼルバイジャンのソ連への編入を初めとする20世紀の政治的・社会的変動を乗り切って生きのびることは出来ませんでした。加えて、現代音楽家の演奏方法や、若い世代に技術を伝承する方法において特に顕著である西洋からの大きな影響によって、ムガーム音楽は、その美的及び表現上の特徴のいくつかを失ってしまいました。

消滅の危機:

ムガーム音楽の録音とコンサートが多数にのぼっている事実は、この快活な音楽が、1991年に独立を達成したアゼルバイジャンにおいて、今も人気を保っていることを示しています。しかしながら、ムガーム音楽の今日の演奏家は、商業的な圧力により、常に新たな形のムガーム音楽を作り出すことを余儀なくされており、これによって伝統的な形式が段々と見捨てられ、忘れ去られる傾向にあります。今日、ムガーム音楽の即興という独特な性格と、古来の耳から耳への伝承という伝統は脅かされています。

行動計画:

行動計画は、特に作曲に関する研究、ムガーム音楽に関する研究、出版物の発行、及び国際フェスティバルやコンクールを支援することを目的としています。その他の優先目標としては、特に伝統的演奏の歴史的録音などの音声資料の保存及び修復と、これらの貴重な資料の一般への提供が挙げられます。