2001年および2003年に宣言された傑作の紹介
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- 2005年の傑作-
複数国にまたがる傑作
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人類の口承及び無形遺産の傑作:

"バヌアツの砂絵"
 
宣言年:
2003年

国名:
バヌアツ

関係するテーマ:
伝統知識と技能
参考資料
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解説:

 
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南太平洋上に浮かぶバヌアツ群島は、シドニーの北東約2千キロの地点にあります。バヌアツでは、複雑で独特な砂絵の伝統が今もなお保存されています。バヌアツの砂絵は、原住民の芸術表現であるに留まらず、儀式や瞑想から通信・伝達に至るまで、実に多様な状況において多機能を果たす「文字」でもあります。

砂絵は、熟達者によって砂や火山灰、粘土といった地面の上に直接に描かれます。目に見えない升目の上に、1本の指で入り組んだ形の連続線が描かれると、時に左右対称的な、幾何学模様の優雅な構図が完成してゆきます。群島の中部および北部の諸島には、それぞれ固有の言語を用いる約80の部族が住んでいますが、この豊かでダイナミックな図像は、これらの部族が通信し合うための手段として発達しました。また、儀式や神話の知識、島の歴史や宇宙観、親族構造、詩群、農業技術、建築術、職人の技法、舞踏の振り付けといった、さまざまな知識を記録し、継承するための手段としても用いられています。大部分の砂絵は複数の機能を果たしており、重層的な意味を担っています。それゆえに、砂絵は複数の仕方で「解釈する」ことが可能であり、それは、芸術作品であり、情報源であり、物語の挿し絵であり、署名であり、あるいは単なる瞑想のメッセージまたは対象でもあり得ます。砂絵は単なる「絵画」ではなく、詩歌や物語、神俗両方の意味を含んだ知識と相互につながり合った繊細な網の目であるため、砂絵の熟達者には、模様の熟知だけでなく、模様が担う意味を深く理解していることが要求されます。それだけでなく、見る人に対して砂絵を解釈してみせることができなければなりません。

消滅の危機:

砂絵はつかの間の存在であり、それだけに、特に脆弱な文化形式となっています。風雨に晒されるこれらの砂絵は、長期間にわたりそのまま保存されることはほとんどありません。最も一般的な砂絵のデザインは、バヌアツの独自性を表す魅力的なシンボルとして、切手や紙幣、広告などに幅広く用いられています。しかし、観光や、その他の商業目的のための、民族的な装飾の一種として紹介されることも多く、特別な配慮がなされない限り、砂絵の審美的な側面のみを評価する、このような傾向が助長され、砂絵のもつ象徴的な意味と、本来の社会的な機能が失われてしまう恐れがあります。このため、上演会や展覧会といった、一般向けの催しを通じて、砂絵の熟達者の技術の伝統が奨励される予定です。砂絵について、とりわけ特定の学習分野(例えば歴史や地理)に関わる砂絵について、学校教育において研究する機会を設けるとともに、視覚芸術や芸能の教育課程でも砂絵を扱うことが予定されています。

行動計画:

行動計画はこのほか、砂絵の商業的な使用を規制する規則を整備することも求めています。