女性のための識字教育センター(LRC)が運営に関わる識字クラスに通う女性達はどんな生活を送っているのでしょうか。また、識字クラスに通うことは彼女達の人生にどんな変化をもたらしたのでしょうか。アジア9カ国の女性達の一日を紹介します。
   
インドネシア パキスタン
カンボジア バングラデシュ
タイ フィリピン
中華人民共和国 ベトナム
ネパール  




●インドネシア

○ナルヒダヤの一日

みなさんこんにちは。

私はナルヒダヤと言います。家族と一緒に住んでいます。39歳なので、家族には結婚の心配をされますが、私はまだそんな気がありません。それよりも私の悩みは、睡眠時間があまり取れないことです。いつも決まって午前4時に起きなくてはなりません。うちの畑で取れたものを朝市で売るためです。

朝市から帰ってくると、今度は畑仕事を早朝からする弟に、朝ごはんを作って持っていきます。そして弟が朝ごはんを食べているときに私が代わって畑を耕したり、草むしりをしたりします。ついでに次の朝市のために野菜も採ってきます。

畑から帰ると、自分で作った着物を、まわりの村に売るために出かけます。遠出なのでこれは結構疲れます。午前10時に家を出て、たいてい午後5時頃に戻ってきます。

戻ってきたら、今度は夕食の支度をしなければなりません。それが終わると、今日収穫した野菜を洗ったりして朝市の準備をします。

 

それから、午後8時から識字クラスに行きます。今日の授業では、いくら稼いだかという質問をされました。そんなに多くなかったと思います。先生は、その収入金額と実際の支出を紙に書くように言いました。今まで一つ一つ書いたことがなかったので気づかなかったのですが、バスに乗ったりすると、実際は、収入よりも支出が多いことがわかったのです。とてもびっくりしました。今日の授業で、支出や収入の記録をつけることがどんなに大切かということがわかりました。

10時には識字クラスが終わり、宿題を抱えて自宅へ帰ります。10時半には寝床に付き、明日の朝きちんと起きられるよう願ってから寝るようにしています。

 



●カンボジア

○サオの一日

私はサオと言います。カンボジアの農村で育ちました。姉や弟を含め5人の姉弟でしたが、あまりにも貧乏で、他に働く場所もなかったので、姉と次女の私はプノンペンに行って働くようにと言われました。都市では良い仕事につけると思いましたが、大間違いでした。小さな工場で朝から晩まで働かされ、学校へ行くこともできませんでした。それでも何とか暮らしでいけるのであれば、私は村にいる家族のために我慢できます。でも、実際には雇い主は私たちが稼ぐお金の半分しか渡してくれないと一緒に働く人に言われました。それでも私はまだいいほうです。たった13歳の子が同じ工場で働いていますが、彼女には何の報酬もありません。

 

ある日ふとしたことから、やめていった仕事仲間に会い、CWDAを知りました。今彼女は自分で簡単な縫い物をして近所で売って生計を立てています。私はCWDAスタッフに会い、小額融資のプログラムに参加させてもらいました。家族と暮らしていたときから竹細工で小物を作ることが得意だったので、今では竹細工を売り生計を立てています。また同時に、CWDAで様々なトレーニングを受けました。ここで教えてもらうまで私のまったく知らなかったことがたくさんあります。家族計画のことだけでなく、栄養に関することもです。例えば、どのような食品をとれば、疲れにくい体を造れるかなどです。私たちはそんなことを知る機会がほんとうにありませんでした。でもこれまでCWDAで学び、知るということは楽しく、自分のためになるいうことがわかりました。他の人にも是非この事実を知ってほしいです。

 



●タイ

○ミーの一日

 みなさん、こんにちは。
  私はミーといいます。1957年に生まれました。
 たいてい朝4時に起き、3kmほど離れた朝市に家で採れた野菜などを売りに行きます。7時には家に帰り、孫の世話をした後、畑へ行って一仕事します。8歳の孫は、学校で少数民族のことについて習っていて、私たちがどうしたらタイ国籍を取れるかなど多くのことを知っています。そういう話を孫から昼食の時に聞くのが楽しみです。
 識字クラスは夜の8時半から10時まで続きます。識字クラスが始まる前に、「私たちは木が大好き」という歌をいつも歌います。そして、主に私たちの村のことを題材としたことを学んでいます。この前は、村の抱えている問題について話したのですが、土がやせていることが最近は特に問題だと知りました。そして村長から町の農業担当者に話してもらい、みんなで一緒にこの問題を解決していくことにしました。
 
クラスでは環境問題のことも学びます。自然が私たちにどんなに密接に関係したものであるか、どんなに大切なものであるか、自分なりにわかってきたような気がします。昔に比べたら木や野草がすいぶん少なくなりました。友達とは木を植えていこうという話を進めているんですよ。
 さて、今日もクラスが無事終わりました。みんなと「明日はいつ朝市に出かけようか。」「いつもの時間にしないかい?」「何を持っていくか決めたのかい?」などとおしゃべりをしながら自宅へ帰ります。山の夜風は冷たいですが、みんなと一緒にいるとそんな寒さもふきとんでしまいます。ほんとに、こんな楽しい識字クラスに若い頃から通えたらどんなに良かったか・・・。でも今、十分に楽しんでいますけどね。
 



●中華人民共和国

○フェン・ヤンウェンの一日

 みなさん、こんにちは。
 私はフェンです。学校には小さい頃通っていたのですが、家が貧しかったせいで、一年生までしか行けませんでした。
 今は夫と共に農業をして何とか生計を立て、私の娘は大学にまで行けるようになりました。でも農作物からの現金年収がだいたい6,000元なので、学費の4,000元はきついです。奨学金を受けることができたのはほんとうに幸運でした。
 
 私は去年から識字クラスに通うようになりました。娘にも影響されたんですけどね。夫と農作業をしながら、今日はどれだけ稼いだとか計算しなくてはなりませんが、言葉が読めなかったので、計算なんてまったくできませんでした。今は病気の時以外は必ずクラスに通い、1,500文字まで書け、計算もそこそこできるようになったんです。手仕事以外にも夫の助けもできるようになりました。ほんとうに嬉しいのは、夫が私に金銭勘定などを任せてくれることです。今では私を頼っているんですって。
 識字クラスから帰った後、娘や夫に手伝ってもらいながら今日習ったおさらいをします。家族の励ましや協力があるからとても幸せです。
 



●ネパール

○コカナの一日

みなさん、こんにちは。
私はコカナといいます。26歳です。
識字クラスへ通うようになってから、計算ができるようになったのでとても助かります。
前は市場に行ってもお金の計算ができなくて、夫や 友達にいつもいっしょに行ってもらっていました。でも 今は、自分一人で買い物に行けるようになりました。
少し自分に自信がついた気がします。
あなたも識字クラスに通っていますか?
 
私は毎朝4時頃に起きて、体を洗います。そして、家と庭の掃除をしてから水くみに行きます。村の水くみ場ではときどき牛も体を洗っています。家に帰り、次にお祈りの準備を始めます。お祈りの道具は水で清めなくてはなりません。それから仏陀と神々にお祈りをします。
 
お祈りが終わると、家族にお茶を出してから、朝食を準備します。子どもたちの食事が終わると、学校に送りに行きます。その後朝食をとって、畑に働きに行きます。夕方4時頃に畑から帰り、お腹がすいているので軽いものを食べます。その後すぐに夕食の準備のために、水くみと薪を取りに行きます。夕食はたいてい7時にとります。夕食の後片付けをした後、識字クラスへ行きます。
 
識字クラスは夜の7時から9時の2時間です。家に帰るのは、9時半ごろになります。そして10時には寝るようにしています。
 



●パキスタン

○サラの一日

みなさん、こんにちは。私はサラです。 このまえ識字クラスで、お裁縫をならって自分のハンドバッグを作りました。自分では結構上手にできたと思っています。買い物をする時にとても便利なんですよ。もう一つ上のクラスでは服を縫うことを学びます。今から息子の服を縫うのがとても楽しみです。 識字クラスに通うのは、ほんとうに楽しいですよ。
 

 毎朝5時に起きて、生後6か月の息子の食事のしたくをし、礼拝をしてコーランを暗唱します。6時には夫と上の息子が起きてくるので、彼らの朝食のしたくをして、息子を学校に送ります。

8時半には部屋と台所を掃除し、洗濯をします。10時半に市場に出かけ、昼食のために野菜などを買います。昼食のしたくの後、下の息子に水浴びをさせます。1時に上の息子が学校から帰ってきて、みんなで昼食をとります。

 

2時から3時は識字クラスに通っています。

だいたい5時ごろ子どもたちはモスク(礼拝堂)の教室に行きます。そして仕事から戻った夫を迎え、お茶を飲み、ひと休みして子どもたちと遊びます。6時から7時に夕食のしたくをし、8時には夕食を終えます。

その後、注文を受けた仕事を少しやります。近所の人は私が識字クラスで裁縫を習っているのを知っていて、たまに簡単な刺繍などを頼んでくれるのです。

寝るのは11時ごろです。

 



●バングラデシュ

○ファテマの一日

 みなさんこんにちは。
 私はファテマです。私は8歳まで学校に行っていました。兄と弟は14歳の時まで通っていました。私は、学校が遠かったし、家が貧しかったせいもあり、母の手伝いをするように言われました。

今は、2男1女の母になり識字クラスに通っています。村の女性グループが行くように進めてくれました。それまでは、ためた水をそのまま飲んで、よく家族がおなかをこわしたりしたのですが、識字クラスで井戸水をくんで、沸騰させて飲むことを習ってからはそんなことがなくなりました。子どもが苦しんでいるのを見ているのがつらかったので、嬉しいです。
 

朝まず家の掃除や家族の朝食のしたくの後、こどもたちを学校に行かせる準備をします。そのあと、夫が畑で仕事をしている間、近くの池へ行って洗濯をしたり、飲み水をくんできたりします。それから昼食の準備にとりかかります。子どもたちは、 おなかをものすごくすかせて帰ってくるんですよ。末の息子が夫にお弁当を持って行きます。昼食の後、2時から4時まで識字クラスに行きます。私のほかに29人の女性が通っています。いろんな年齢の人がいて、彼女たちと話をしているととても面白いですよ。

 

識字クラスから帰る途中夕食の材料など必要なものを買います。夕食のあとは家で昼間習ったことを復習しています。こうするとあまり忘れないんです。

 



●フィリピン

○サミアの一日

 みなさん、こんにちは。私はサミアです。
 16歳の時に結婚して、今ではもう4人の子どもがいます。朝は5時に起きて、家族全員でお祈りをしたあと、市場へ行って、夫の経営するサリサリストアー*で売るものを安く仕入れてきます。その後朝食を家族と一緒にとり、7時30分頃までには子どもを学校へ送り出します。そして家の掃除をした後、一番下の子の面倒を見ながら夫のサリサリストアーの手伝いをします。
 最初はお金の計算など全然わからなかったのですが、識字クラスで小さな規模のお店を持つことを学んでいくうちに、お金を稼ぐこつなどがわかるようになりました。識字クラスには毎週土曜日に行っていますが、この前は、海外へ出稼ぎに行くのに、飛行機に乗るときには靴をぬがなくても良いことなどを先生から聞きました。
 子どもたちを寝かせた後、だいたい9時半頃までには寝るようにしています。だって、先週の識字クラスで十分な睡眠をとることが美容にいいって習いましたから。夜の10時以降は、肌の新陳代謝が一番活発なんですって。あ、そうそう、夫の役に立つことを習った時は、私が彼に教えたりしているんですよ。照れながらも喜んでいるので、私も教えがいがあります。

*サリサリストアーとは、フィリピンの雑貨屋のことで、生鮮品以外のもの(文具、お菓子、タバコ、酒など)を売っています。
 



●ベトナム

○ミーの一日

みなさんこんにちは。
 私はザオ族のミーと言います。37歳で、5人の子どもがいます。私が住んでいるところは、ベトナム北部の山岳にあるラオカイ省のサパ県で、識字クラスで習ったことによると、首都のハノイから420kmほど離れているそうです。この間コミュニティーセンターで新聞を読んだら、日本が紹介されていました。わたしたちの暮らしとはずいぶん違うのでしょうか。
 
 私はいつも朝6時半頃起きて、朝食の準備をし、7時半に末娘といっしょに畑へ行きます。娘が他の人の赤ちゃんをあやしている間に畑で農作業をします。10時半までには家に帰り、昼食の支度にとりかかります。そして2時半に、村の識字クラスへ行きます。私は今、一番上級のクラスで、機織りを学んでいます。機織り機を使うときれいな模様が簡単に織れるのでとても便利です。
 


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