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海洋保全教育 学校での実践報告
(気仙沼市立鹿折小学校)

単元構成の工夫を通した主体的な探究活動

学校名気仙沼市立鹿折小学校
タイトル単元構成の工夫を通した主体的な探究活動
教科等/特別活動生活科、海と生きる探究活動
学年(または年齢)1~6年
01 実践の特色
・ESDを学校経営の柱の一つと捉え、ホールスクールアプローチの考え方を生かした教育活動を展開している。授業の中だけでなく、日々の学校生活全体を通して持続可能な社会の担い手を育成することを目指し、全教職員が共通の視点をもって指導にあたっている。
・本校では、教育課程特例校として、総合的な学習の時間と各教科の一部を融合した「海と生きる探究活動」を授業で行っている。気仙沼・鹿折地域の特色ある自然や産業、歴史文化を学びの基盤とし、地域と連携した教育活動を継続的に展開している。地域教材の整理を進めるとともに、関係する地域住民や支援団体との協働体制を構築し、専門的な知見や助言を教育活動に生かしている。
 
02 実践の詳細
1年生は、海に親しむ活動として、大島・小田の浜へ行った。小田の浜では、波の音を聞いたり貝殻を拾ったり、砂の造形遊びをしたりした。図画工作科では、拾った貝殻と紙粘土でオリジナルマグネットを制作し、海の思い出を表現した。活動を通して、海と触れ合うことの楽しさや自然の美しさを感じることができた。鹿折こども園に行って、海のひみつを伝える活動も行った。また、国語科「いろいろなふね」の学習では、海上保安署の巡視船を見学し、船の仕組みや海で働く人の仕事を知ることができた。

2年生は、岩井崎に行き、海や干潟の生き物と触れ合ったり、観察したりして、海にすむ生き物の不思議さや面白さを実感した。岩井崎で見つけたり観察したりした海の生き物の生態について、自分で調べたいことを課題として設定し、本やインターネットで詳しく調べた。調べて分かったことをいろいろな人に伝えるために、海の生き物図鑑を作ってまとめた。また、図画工作の時間に、それぞれ一番興味をもった生き物を版画にして表した。海洋生物だけでなく、身の回りの生き物に対しても興味をもつようになり、進んで調べたり観察したりして、発見したことを互いに交流するようになった。

3年生は、鹿折に古くから伝わり、大切に受け継がれてきた地域の「宝」に目を向けた学習を行った。鹿折金山や浪板虎舞、ワカメ養殖などについて、見学や体験を通して学び、調べたことを整理し、自分たちの言葉で発信する活動に取り組んだ。地域の伝統文化や産業に直接触れることで、故郷である気仙沼・鹿折への愛着や誇りを深めることができた。また、伝統文化や産業を支える方々の話を聞いたり、キリバス共和国の小学生との異文化交流を行ったりする中で、「地域の宝」には人々の思いや願いが込められ、長く親しまれてきた理由や背景があることに気付くことができた。学習を通して、文化や産業を守り続けようとする人々の存在を実感し、自分たちにできることを考えながら、まとめた内容を模造紙に表し、発表することができた。

4年生は、山から海へと続く自然のつながりの中で、多くの命を育み結び付けている鹿折川について学習した。学習の一環として、川の上流域と中流域、下流域で水生生物の調査を行い、様々な生き物が生息していることを確認した。また、調査を進める中で、川と海を行き来する生き物の存在を知った。こうした現状を踏まえ、多くの生き物がこれからもきれいな川で生き続けるためには何が必要なのかを考えた。さらに、山の環境を守ることが川や海の生態系を守ることにつながることや、森と海を結び付ける川の役割の大切さについて理解を深めた。これらの学習を通して、川だけ、海だけを守ればよいのではなく、山・川・里・海が互いにつながり合っていることを実感した。

5年生は、気仙沼の水産業について、見学や実験、インタビューを通して学んだ。魚市場では、サンマやメカジキなど多くの魚が水揚げされ、気仙沼は水産業に必要なものが全てそろう貴重な場所であることを知った。また、遠洋マグロ延縄船やみらい造船の見学から、高い技術が全国から船を集めていることを学んだ。さらに、「潮目」の実験を通して、親潮と黒潮がぶつかることで栄養豊富な海が生まれ、豊かな漁場がつくられている仕組みを理解した。高校生へのアンケート調査からは、水産業に関心はあるものの将来の仕事としては不安を感じる人が多く、後継者不足という課題があることも分かった。様々な活動を通して、気仙沼の水産業は豊かな自然と高い技術、人々の思いによって支えられ、世界とつながっていることを実感した。この学びを生かし、プラスチックごみを減らす「ゼロストロー活動」や魚を残さず食べること、4Rや節水・節電に取り組んだ。

6年生は、気仙沼の食文化やまちづくりを調べ、「海との共生」について探究した。まず、気仙沼商工会議所会頭の菅原昭彦さん、気仙沼市役所の糟谷翔さんに話を聞き、まちづくりの特徴を学び、水産業、スローフード、防災・震災の3本柱で学習を深めた。スローフードでは、探究旅行で訪れた会津若松市の食材や調理方法と比較しながら、山際食彩工房の山際博美シェフと協力してオリジナル弁当づくりと試食会を行った。防災・震災では、東日本大震災の様子と復興への歩みを調べ、壊滅的な被害から現在に至るまで水産業を支えた人々の思いについて考えた。これらの学習を通して、気仙沼で水産業に従事する人々がどのような思いで「海との共生」を目指しているのか理解を深めた。
 


03 資料・画像・動画等
2年生 生き物探し
4年生 川の調査
6年生 震災に関する講話

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