SMILE Asia プロジェクト


SMILE Asia プロジェクト(Supporting Maternal and Child Health Improvement and Building Literate Environment)は、妊婦さんや子育て中の女性を主な対象とした識字学習支援プロジェクトです。本プロジェクトを2008年から実施しているカンボジアには、長きにわたって続いた政情不安と内戦の影響で基礎教育を受ける機会を奪われ、基本的な読み書きを習得できないまま成人となった人々が192万人存在すると言われています。また、そのうちの64%が女性です(UIS.Stat, 2024)。

コンセプト図

プロジェクトでは、こうした女性に読み書きや計算の基礎的な技術を身につけるための包括的な支援を行っています。クラスで使用する学習教材には、女性の権利、自身や家族の健康と保健衛生にまつわる知識が盛り込まれているほか、読み書きの学習と並行して、地域の保健センターから専門家を招いての実践学習の機会が提供されるのがSMILEの特徴です。また、各村に設置される読書コーナーにはさまざまな種類の読み物が取り揃えられています。お母さんたちが学習に励む傍らで読み物を楽しむ子どもたちの姿も見受けられるなど、村全体の教育環境の向上にも貢献しています。
これまでにのべ86の村で1,500人以上の女性がSMILEに参加しました(2024年3月末時点)。
 

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現地の声

SMILE の学習者だった私が村の運営委員に! 〔2012年学習者〕

私にとってSMILEのクラスは本当に楽しい時間でした!もともとおしゃべり好きな性格ですが、識字クラスに通って自信がついたことで、前よりもっと積極的になった気がします。授業では教えてもらうばかりでなく自分で発表する機会もあったので、何度も発表することで勇気がわきました。そんな授業での様子を見て、なんと先生(ファシリテーター)が私を村の委員に推薦してくれたんです!村長、副村長とその他メンバーが私を含めて3名の委員会で、村のことをいろいろと話し合っています。村に貢献できている実感があってとても嬉しいです。家庭では、SMILE 終了後、今までやってきた農業のほかに自宅で食料品店も始めました。仕入れ記録は私が書いています。子どもが学校でもらってくる成績表なども読めるようになり、学校の様子がわかるようになりました。最近はスマートフォンでニュースを読んだりすることもあります。できればもっと勉強して、いろんな教養を身につけたいと思っています。もしまた SMILE のクラスがあれば、絶対参加したいです!  

リー・ピュロンさん
35歳、3児の母

 

村の女性たちのために働けるのが嬉しいです 〔ファシリテーター〕

最初はファシリテーターを引き受けるつもりなんてまったくありませんでした。当時、私自身も小さな子どもを抱えていて、とても役割を果たせると思えなかったからです。再三の説得に押されて結局引き受けることにしたのですが、この仕事をきっかけに地域行政との関わりがで き、会合などにも参加する立場になった今、女性の社会参画の重要性を強く実感するようになりました。あの時熱心に働きかけて私にチャンスを与えてくれた女性局の方には、本当に感謝しています。いろいろと苦労もありました。ファシリテーターになるためには事前に研修を受ける必要があるのですが、その研修に子連れで行くのがすごく恥ずかしかったです。でも、自分が同じような境遇の村の女性のお手本になるんだ、という気持ちで努力しました。クラスでは、日中畑や工場で働く母親の代わりに子守をしているおばあちゃん世代の生徒さんがなかなか教えたことを理解してくれず、困りました。年配の方には全部の文章を覚えるのは大変なので、要点だけ取り出して指導するなどの工夫をしました。私自身もファシリテーターとして、日々成長できたと思います。SMILE 修了後に生徒さんが活躍されている様子を見ると、自分のことのように嬉しいです。私自身のためにも、村の女性たちのためにも、この仕事を引き受けてよかったです。

スン・タリーさん
35歳、5児の母

SMILE Asiaプロジェクト 活動レポート

SMILE Asiaプロジェクトでは、毎年の活動状況をレポートの形でまとめています。プロジェクトの内容についてより詳細をお知りになりたい方、現場の声をもっとお聞きになりたい方は是非ご覧ください!

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